こんにちは、幽雀です。

前置き:ひとり旅の記録ですがオタクなのでオタクっぽい写真が多めです。

生活のさまざまな事で精神的にいっぱいいっぱいになった八月某日……思い立って、気がついたら、島根県のホテルを予約していました。しかしこの神在月の出雲大社は神迎祭から始まり、神在祭、縁結大祭、神等去出祭……等々、神事がめじろ押しとなっているため、ホテルの空室がすぐに埋まる状況+α繁忙期価格ということもあり、行かれる際は本当~~~に早く予約を押さえた方が良いです! 八月末の時点で出雲市のホテルは取れず、松江方面も近場は最上位クラスの部屋しか空いておりませんでした……特に初日と二日目は人が多いので石油王以外は注意してください

旅の目的

  1. 神在月の出雲大社に参拝して出雲の神様と八百万の神様に御挨拶すること
  2. せっかくなので神迎祭を見てみたい!たーっくさんの神様が来るってどんな感じなんだろう?
  3. 一畑薬師さんのところで目の願掛けをしよう
  4. オカルト好きなので小泉八雲の所縁の場所を訪れたい
  5. 縁結大祭でご縁を授かるか悪縁を切ろう

今回の旅は2泊3日の予定で、出発は九州からです

この時点で、めっちゃ遠いな~~……と気分下げてますが、九州勢はまず関門海峡を突破しないと本州にたどり着けないので頑張りましょう。

勢いで急ぎホテルを押さえた後も「本当に行くんだろうか……」「ていうかなんで行くんだっけ?」「行ってどうするんだ……?」「すっげえ旅費が高いな……」とくよくよしておりました。島根との心理的距離、遠し。

記事は全三回に分かれています。

旅の下準備

①ハガキを出せ

縁結大祭に参列するには往復葉書で申し込まなければならぬ……まずここからです。今年(2025年)は12月1日、12月4日、12月6日と三日間ありました。ありがたい。例年枠がすぐに埋まってしまうという話らしいので(一週間くらいとか)、出雲大社の公式HPで受付を開始したら早急に、速達で、出すのがいいかなと思いそうしました。多分二日くらいで島根に届いたはず。大祭に出られるかわからないけど、とりあえずホテルを押さえることが先になりますが(自分的にはもう受かった気分で予約してました)、日程は三日間あるから大丈夫だと思います。出席日は運がよいことに、希望日通り、月曜日にしてもらえました。もちろん有給使った。(有給取りにくい会社だけど)

今年の出雲大社の募集開始は10月14日ごろでした。有給+ホテルの日程もあるので絶対に受からなければとちょっと必死でした。

②移動手段を決める

九州勢は飛行機より鉄道の方が多いんだろうか? 私は鉄道メインで移動しました。現地も電車移動です。これが後に大変なことになろうとは考えもせず……。

🚃行きの移動は

小倉駅にできるだけ早く着く乗り込み、そのあと新幹線に乗り換え新山口駅を目指し、そこから「スーパーおき 2号」の始発に乗って出雲市駅に到着します。であるなら出雲市駅につくのは12時半ごろになります。そこからまた一畑電鉄に乗って出雲大社方面か、松江方面に行くことにしました。

🚃帰りの移動は

一畑電車で移動した後出雲市駅から高速バス「みこと号」に乗って広島駅前で降り、新幹線で広島~小倉駅に行き、自宅方面に帰るというルートです。

行きも帰りも7時間くらいかかりました。やべえ遠いよ……。岩手県くらい遠いかも……。(めそめそ)

③旅支度をするんだ

必要なものを買いそろえて、パッキングの準備です。ちょうど良い冬コートがなかったので新調しました。あと大祭に参列できそうなセーターとか買いました。12月の島根県は寒いかもと思ったんですよ。雪とか降るかもと思って。いや全然今年そんなことなかった。暑すぎた! でも旅が終わって二日後くらいに島根県は猛烈に寒くなって降雪したらしいです。読めない天気でした……

前日には圧縮した衣服を強引にバッグに詰めて、当日は始発で出発しました。

で、今回はひとり旅ということで記念撮影できそうな旅の友を準備したんですね。

大丈夫? ここからとてもオタクだよ……君もオタクかい?

今回の旅行に連れて行くのはこのひと(ババン!)

偽アラスターです。

偽物です! 手前のマグは本物です……。(せっかくなので珈琲をあげた。)

界隈に間違いなくぶっ叩かれると思うけど、すごい前にゾンアマで買った……。どうでもいいけど家にある偽はこれだけです

まあでもただのひとり旅だし、気楽に撮影友として連れて行きました。笑顔なので写真映りがたいへんよい子に見えます

そんなわけで仕事で残業して帰ってからパッキングをしたら深夜だったんですが仕方ないです。翌日に備えて就寝

旅一日目

日程:出雲市駅~一畑薬師さん~稲佐の浜で神迎祭

九州脱出、出雲市駅を目指す

AM04:XX起床

眠い! 1分おきにiPhoneからアラームが鳴るので(自分で設定した)、眠い目をこすりながら起きました。さすがに朝は冷え込むので支度をしつつホッカイロを貼って家を出ます。んで、家出たらさっそく変な人に遭遇……。男の人が突然道端で大声を上げてた@住宅地。あのさあ……なんかさあ……深夜より夜明け前の方が、外怖くない……? 出雲に行く前に地元の神社さんとお稲荷さんに「出雲に行ってきます~○○時の電車に乗っていろんなとこ見てきます云々」と報告したおかげか、絡まれることはなかったけど、最近の人、怖い。

まだ外が真っ暗……(※ネイルケアしていない指が写るのが嫌で画像にステッカーを貼っています)

朝ごはんも食べずに出てきたのでいつ食べるかが問題なんですが、新山口駅で駅弁を買えばいいかと思い、ひたすら電車移動します。

「これから新幹線に乗りマス!」

朝日がまぶしい~! 小倉駅から新山口駅まで30分で着きます。

「のぞみ 東京行き」に乗り込む時の写真。え、撮るの下手過ぎない???

調べたところ、ローカル線でも新山口まで行けなくはないのですが、今回は早めにビュンと行くことにしました。新幹線って快適ですごいよね。全然揺れないし。地元の電車、新幹線より遅いのにめっちゃ揺れるんだけど……。

そうこうしているうちに新山口駅に到着しました。新幹線から「スーパー おき2号」に乗り換え、なんですが。乗り換え用改札口から出ると以降では売店が一切無いということを改札から出てから知り(コンビニらしきものがかなり歩いた先の一番奥にあったんですが改装中なのか閉まっていました……)、急いで引き返して駅員さんに「ご飯買いたいです……」と申告して一回出させてもらいました。新山口駅に新幹線で来ると、一回降りないと駅弁やお土産が買えないんですね~。こういうの来てみないとわからないことだらけだなぁ。

新山口駅での「おみやげ街道」で「あなごめし」弁当と「夏蜜柑丸漬け」を買いました!

(おやつに買った夏蜜柑丸漬けは写真を撮るの忘れたので画像検索のリンクを貼りました)

(なお大きすぎて食べきれず、戻ってからも仕事のお弁当に入れておやつにしております。一切れでも腹が満たされるのでコスパよかった……)

弁当を買ったのでこれから特急列車「スーパーおき 2号」に乗ります。乗り場は結構遠くて端っこの方でした。乗り換え時間は50分近くあったので余裕を持って買い物できました。

山口の朝の空気を吸うフェイク・アラスターの写真

しんとした冷たさがあって心地よかったです

「スーパー おき」、現着

(AC6面白かったよ)

かなり人が多かったかも~

みんなどこに行くのかな?

私はこの便を逃すとすべての予定がパァになってしまうので、座席の予約は初日にできるようスタンバイしていました。カレンダーを確認したら、11/29の予約を10/22にこなしていました。思っていた通り、この日の指定席は満席のようでした。

朝ごはんタイム~

あなごめし、美味しい!!

人生2回目だけどやっぱりウマイなぁ~! 喉の通りのよいウニみたいな味がします。滑らかで食べやすいので広島~山口間に来たときは是非食べてほしいです。はじめて食べた時、柔らかくて感動しました。

これから3時間半、スーパー おきの中で過ごします。なおここに来るまでにすでに3時間経過しています。やっぱ遠いわ……。

車窓の景色を眺めていたら、津和野城跡が窓から見えました。おお~城~と思っていたら

あ、あれは! 太鼓谷稲荷さん! 一回行ってみたかったところの!! 太鼓谷稲荷神社は日本五大稲荷の一つだそうです。(公式HPより)

津和野駅(停車駅)の近くだったんだ~ もう行き方がわかったからいつでも行けるぞ!

しっかりルートを覚えたのでいつか参拝したいです

そしてついに見えてきた、日本海!! すげー!

おお~~~

ざっぱ~んという感じなのね~~これが日本海か~~、などと感動しました。海は見たことあるけど、白波は見たことがありませんでした。あれですね、「東△映」みたいな。

それにしても、晴れて良かったなぁ! あと海側の席を予約してよかった……。(D席を取っていました)

しばらく日本海の景色を堪能していました。

そうしてやっと着いた、出雲市駅

駅がお社の形になっている! ついに出雲に来たんだよ 生まれて初めて!

「思っていたよりも暑いデス…」

この日の最高気温は15度でした。

一畑電鉄の乗り換えまで一時間ほど余裕があるので散策しました。一足早いですが、着いた瞬間にお土産を物色してましたw 数少ない「怪談クッキー」が売ってあったのですぐ買うやつ。(写真は最後にあります)あと真空パックされたしじみとか買いました。こっちは写真を撮り忘れてました

これが、大国主命……さん!? めっちゃでかくてのけぞった。すんごい迫力。とりあえず、おみくじはすぐ引くやつ。「大吉」とかは書いてないタイプのおみくじで、「仲間が助けてくれる」とか書いてあった。わし、一人で来たで……と思いながらそれはしまって、またうろうろしました。ラーメンとか美味しそうだったけど、時間が無くて食べられず。出雲そばもこの駅で食べられるはずです。正直、この時期の出雲大社前は人が多すぎてお店で食事とか考えられないほどだったので、出雲大社や松江の方で食べた方が現実的だと思いました。順番待ってる間に電車の時間過ぎちゃいそうで(一畑電車は一時間に一本のローカル電車なんです)

電車の時間が来たのでこれから一畑薬師さんに向かいます

出雲大社~松江を移動される際は、一畑電車の一日フリー切符を買うことをおすすめします!!

(神在月の初日から二日目まで、人多すぎて切符買うのが難しい時があります。ヤバいです。列整理する人がいないディズニーランド並みです。カオスでした。フリー切符なら駅員さんに見せるだけでスッ…と通れるので便利です。三日目にもなると混雑はだいぶ落ち着いていましたが。)

というわけでフリー切符使っていざお薬師さんのところへ

一畑薬師さんのところへ向かう

あらかわいい~

一畑電車(ばたでん)のしまねっこ電車に乗れました

どうして猫なんだろう?と思ったんですが、しまねの子=しまねっ子=島根猫?ということでしょうか? 島根滞在中、しまねっこにしっぽはあるのか?と思い、たまに探したんですが、結局見つかりませんでした……w

一畑電車の乗り換えでどきどきしたのが、川跡駅で乗り換え数分みたいな表示がほとんどの調べものサイトで出てくるので、「ま、間に合う……のか!?」と思っていました。なんと川跡駅ではほぼ対面乗り換えの形式になっているんですね~ 所要時間1分未満。なので全然大丈夫でした。みんなでいっせいに移動するので、迷うこともありません。次の電車は目の前にあるので安心です

乗り換えつつ、無事、一畑口駅について、「平田生活バス」というコミュニティバスに乗れました(運賃200円!)バスというか、バン? ハイエース?みたいな車です

運転手さんがいろいろ案内してくれながらお寺に着きました。穏やかで親切な運転手さんだったので安心して乗れました。私含めて数名。ちょっと少なめかも。道がちょっと険しいのでバスかタクシーがないと行くのが難しい場所です。本来の参道があるそうですが、大雨の影響で道が崩れてしまったそうで……(宇佐の大元神社も参道が崩れてたんですが、どこも雨の影響で大変のようです)

案内マップ

一時間後にバスが来るとのことで、結構急ぎの参拝になりました

と、とうさん!?

一畑薬師さんは目や眼病に御利益があるのと、幼少時の水木しげる家に来ていたお手伝いさんが「のんのんばあ」と呼ばれていて、一畑薬師さんを深く信仰されていたそうです。旦那さんが拝み手で癒しの施しをしていたとか。子供時代の水木しげるに妖怪話を聞かせたのもこの方らしい。ああ、しまった、いまHP見たら、のんのんばあが「祀られている」と書いてあってがっくり……気がつかなかった。もっとじっくり見たかったな。

入り口あたりに薬師如来さんの御真言の石碑塔が立っていました。(本堂にも御真言が書いてありました。)

御真言は覚えて持ち帰るとたいへんよいらしいです。ただ、いつ唱えればいいのか……? 寝る前とかかな? 病気になった時とか?

紅葉が美しかったです

たくさんの奉納のぼり!

うっすら見える水面は宍道湖だと思います。本当に素晴らしい景色です。ここに来るだけで癒されます……。来てよかったと思いました

狛犬さんがいる~ 神仏習合時代の名残りなのかな

「阿吽」の阿の方の狛犬さん。たまに小さいのがいて見かけると嬉しい

本堂の方の写真です。急ぎなのであちこち撮影はできず写真は少ないのですが、なんかこう、「癒される~~」って感じがしました。もしかしたら写真でも伝わるかも。。。今見ても、ほわ~んとする気がする。

何本かお線香を立てて(仏様はお線香の香りが好きらしい)、風が強い日だったので火がすぐ消えたり、古いタイプのライターだったので親指が痛くなったり、ちょっと苦労しましたがw 無事に本堂にたどり着いて、ご挨拶できました~! 合掌礼拝、御真言の「おんころころ……」と唱え、自己紹介して、PC作業が多いこととか話して、目を癒してくださいとお願いしました。私、めちゃくちゃ目が悪くて、しかも高校生のころから飛蚊症もあるんです……。青空見上げると若干濁ってるんですよね。子供の時みたいに綺麗な空が見たいですね~

これでいいのかな? 祈りの必死さが足りなかったかな? などと思いながら本堂の横をぶらぶら歩いていたら、なんとなく目がすーっとしてくる感じがして「!」となりました。気のせいかもしれないけど、すっとした!!と思って大喜びするやつ。え、なんかここ、すごいな!? 参拝した人に聞きたい。ぶっちゃけ、目の疲れ、取れますよね……?

不思議がりながら、短時間の中お寺を見て回りました。

仏様の薬壺から霊水が流れているところで水をいただいたり、上のお堂写真の左手側でお茶湯が飲めるそうなのでそちらでも一口飲ませてもらいました。茶葉はお寺や裏の山など一畑周辺で育てたもので、淹れたお茶をお薬師さんにお供え祈念しているとのこと(ありがたい)

「お寺からの眺め、最高デス!」

本堂の左にはひっそりと稲荷社がありました。(写真撮らず)言い伝えでは、ここにいる白狐さんたちが仏さまを呼んだそうです。張り子の狐像は奉納せず持ち帰りしました。(お願い事が思いつかず……。)今度来たら祈願で奉納したいな。意外と、お願い事って難しいなって思います。願望って抱いた時にはもうすでに半分叶ってると思うんですよね。困るのは「何も心に浮かばない」時なんですよ……。虚無感みたいな。あ、でも、稲荷社では「旅の安全」をお願いしました。あれ? やっぱり、奉納すればよかったな。お礼参りに来た時にちゃんと奉納しよう……。

神迎神事を見るため、出雲大社~稲佐の浜へ

名残り惜しいですがタイトスケジュールのため一畑薬師さんを後にします

帰りもまたコミュニティバスのお世話になり、一畑口駅へ戻ります。それから一畑電鉄を利用して出雲大社前駅へ行く……という流れでした。乗り換えの川跡駅で大変な目に遭いました。人、多い!!! え、こんなに多いんだ……。来る時は少なかったのに、倍の人数です。もちろんみんなでわっせわっせと出雲大社へ向かいます。足が遅いせいか集団の後ろ寄りになってしまいました。かといって走るわけにもかず、二両のばたでんが人でぎゅうぎゅう詰めでとても乗れそうにありません。出入口までもう人が飛び出しそうなほど溢れてる。次の列車は一時間後です「え、また一時間待つの……?」と出入り口で呆然としていると、どなたかが、頑張って入れ!!と声をかけてくれ「えぇー!(い、いいのォ!?)」と驚愕しながら満員の中お邪魔したんです。正直、それが良かったか悪かったか私にはわかりません。絶対迷惑だよなと思いました。でもどうあがいても一時間後も多分、これだろうな(いやもっと酷いかもしれない)と思うと、どっちにしろ満員なら今乗った方がいいんじゃないかと考えました。川跡駅ですでに人で満杯ですが、そのあと残り三駅か四駅でも人が乗られるという、軽い地獄絵図みたいな状況でした……。マジで死ぬかと思った……。韓国の某事件が頭をよぎったので、さすがにこの時は神に助けを乞うレベルで無事に着きますようにと心の底から叫びました……。あと荷物抱えてると思ってたら自分でお守りを握りしめて二つに折ってました。(もうぐちゃぐちゃ)たった四駅がすごく長く感じて、みんなで耐えに耐えて、無事に出雲市前駅に到着することができました。乗客と駅員さんの忍耐強さ&事故無くたどり着いたことに感謝。だけどこれは帰りも大変なことになるかも……(涙)

混雑する出雲大社前駅の構内。ステンドグラス窓とアーチ形の天井が美しく、レトロモダンな作りでした

お洒落な駅やな~

人が多かったのに奇跡的に人がいない写真が取れていました。さっとiPhoneを出して、ぱっと撮影してすぐしまうので、構図はあんまり綺麗じゃなくて。(ぬい活写真もさっと出してすぐ鞄に戻すので多分迷惑にはなってないはず……奇異ではあったでしょうけど)

これから稲佐の浜に向かいます。この時点で午後五時頃ですが、出雲大社前は大賑わいでした。神迎神事は午後七時に稲佐の浜で行われます。これからだいたい1kmぐらい歩いて海に向かいます

このあたりから荷物が重くてつらくなり、やっぱり身軽になってからくるべきだったなぁと。でも時間の都合上、チェックインは最後にしないと予定が合わないので仕方ありません。

電車移動する人は帰りの切符を先に買っておかないと、とても帰りに買うことはできません。(夜は駅舎内で人がぱんぱんになり前に後ろにも動けない状況でした。しかもみな疲労で殺気立っている。)というか、電車移動自体諦めなければならないかも……というほどの混雑でしたので、初日は本当に大変でした。来年、初日に参拝することがあれば、何か月も前からタクシー予約をしないと帰るの無理かなと思いました。ちなみに地元の方だと、神在祭の前の日に参拝する方もおられるそうです。ニュースで見た時、「そうだよなぁ……」となりました。

そんなことになるとは考えもせず、「大変かもしれないけどなんとかなるだろう(少し早めに帰る予定でもあるし)」と、てくてく稲佐の浜まで歩きます。あなごめしを食べてから、全然食事を取っていないのですが、お腹減ったような減ってないような……。何か食べるべきか?とお店を見ていたら、「売り切れ」の看板を表に出すお食事処もあって、「やっぱそうだよなぁ~~」となりました。出雲に来る前に旅の予定を立てている時、来客数の多さで想定より早く在庫切れを起こす店もあるかもしれないなと、ふと思ったことが、現実に……。途中の観光物産店みたいな場所にかけこみ、のどぐろのチーズちくわ?みたいなのを買い食いしたりお饅頭を頬張ったりながら小腹を満たしました。チーズちくわ結構美味しかったし、饅頭を食べたおかげで疲れが癒されました

だんだん真っ暗になる道を歩くことしばらくして、ようやく稲佐の浜に着きました。

夜の稲佐の浜の写真。夜六時くらいに到着。

ここでお砂を取って、出雲大社で交換するんですよね(私は都合上できませんでしたが!)

入口付近のテントで御幣を授かった後(帰る時これを掲げて歩くらしい)、時間があるので階段に座って一休憩しました。いっぱい人が座ってるんですが、実際、神事が行われるのはこの写真のずーっと右手側です。とりあえずなんか休んでました。というかこの辺でやると思って鳥居の目の前に座っていました。

気温は寒くはないんですけど、風があるので、長居したら冷えるかな?という感じです。ぼーっと前方の鳥居を見ながら「今は人が多いし、明日参拝すればいいか~」と考えていました。甘かったけど。

30分くらい座っていましたが、なんとなく人の流れから、「あれ? 開催場所はここじゃないな……?」となって立ち上がり、ようやく右手側に移動したのですが、すでに参加されてる人が多いため、後方で立つことになりました。うーんまあ見えないけど、しゃーなしやな。海から?空から?来るらしい八百万の神様には全員が見えてるかもしれない。帰ったらYoutubeで神事を確認や!

開始10分前になると消灯されて真っ暗になり、ぼんやりと篝火の明かりだけになります。

あたりが暗闇に包まれ、おお~島根の夜空は綺麗だなぁと見上げたその時でした。

どよ……

と人のざわめきが。

なんと、神迎祭の神事の直前に流れ星がながれた、というではないですか!! え!? すごくない!?

私、見てないんですけどーーー!???

みんなと一緒に空見てたのに!??? 飛行機のチカチカばっかり見てたから!? しょっちゅう飛行機とんでんのやなぁ、あれなら神様が来るのを特等席で見られるなぁハハハとか思ってたら、見逃した……? 「わりと見やすい位置で流れたよ(byその辺の人の会話)」じゃないよ!!

もういっかい!

もういっかい!!

(やめろ)

無表情でアンコールかけてるなんて誰も気がつかないだろうな……。あーー見たかったなぁ~~~と非常に残念がりました。だって、私も夜空を見てたのに何故……見逃した……私という奴は……てなるじゃないですか???? 「がぁーん、ショック……」という気持ちを抱えながらも、厳かな雰囲気で神事が始まりました。

もはやライブ会場かと思うような、現代の神迎祭(が始まるちょっと前の写真。このあとさらにスマホ画面が増える)

こんな大勢のなか、集中して神事を行うのって、すごいですよね……。迫力のある祝詞が聞けました。

真ん中は篝火の炎です。いやこういうので篝火とは言わないだろうけど……。火が絶えることなく燃え盛っていて、そういう技術?みたいな、昔からの手順があるのかなぁと思いました。海辺は風が強いので普通のやり方じゃ消えちゃいそうです。お盆でも迎え火があるけど、この明かりを目指して全国から神様が来るんでしょうか?

特に見えはしないけど、(なんなら隣の人が撮影してるスマホ画面を横から見たりした)、ほえーとしていたら、お月様がてっぺんまで昇ったころに海面がぼやぁっと明るく見えてきました。月明りのせいかな? 白くぼんやりしてるなぁ、神様もう来たのかなぁ~、空からくるのかなぁ~、あっちの方かなぁ~、などと海の上の夜空を見上げていたら……

 

きらっ……☆彡

 

うわぁ、き、きたーーーー!!! 流れ星だ!!!!

え、流れ星流れ星流れ星!! 流れ星見えたよ!!! 凄すぎます!! アンコール流れ星きたよ!!

え、すごくないですか?? やばくない??? え、みんな、見た? すごかったよね??? 願いが届いたってこと?? 流れ星が流れて流れ星見たいとお願い事してまた流れ星になったってこと??? 待ってちょっと面白いwww 神様ありがとう!! なんかお茶目!!

神事の前に一回流れて、神事の最中にもあって、これは奇跡と呼んで差し支えないのでは……? と思ったので心の中で大はしゃぎしました。きっと一回目見られなくて残念がっていた人が私以外にも大勢いたから、気の毒に思って八百万のうちのどなたかが見せてくれたのかな?、なんて(だとしたらすげーパワーだな……星がおちたんだけど……)

こんなことってあるんだなぁと驚いている間に神事が終わりました。よく見えなかったですが、龍蛇神さんのご神体を先頭にして出雲大社に帰られる、というか行かれる? うん、なんか移動してるな。というわけで流れに身を任せてぞろぞろ出雲大社まで歩いていきました。一応、御幣を手にもって。そして混雑がすごいです……。無事に帰れるのかなぁ。帰りの車道は歩行者天国になっていました。交通規制がかかっていたんですね。

一畑電車の出発時間までまだ時間があったので、夜の出雲大社の中まで歩きました。真っ暗だったしその時が初めての出雲大社だったので、到着した場所が拝殿なのか本殿なのかもわからず、人もたくさんいるし真っ暗だし何が何やら、という状況だったので中座させてもらいました。八百万の神々様はこれから出雲大社で休まれるそうです。お迎えする神様(出雲の神様)も多忙なんだろうなぁ……と思いつつ、人間も帰路につきます。

一畑電車に乗ってホテルへ

一日目の最大の困難がこれでした

人多すぎて交通麻痺。

混雑とかいうれヴぇるじゃないです。駅で一夜明かさないといけなくなるんじゃ……?という恐怖がありました。駅舎内で人がぱんぱんになって前に後ろにも動かず、でも乗る予定の電車は混雑の中待ってる間に行ってしまうし……ああこんなことなら出雲大社によらずまっすぐここに来れば……という後悔しきり。切符なんてとても買える状況じゃないです。次は終電に乗るしかないんだけど、このぎゅうぎゅう詰めで乗れるのか???? 一応タクシー会社に連絡してみたけど、当たり前に駄目でした。そりゃそうだ。

しかも、たくさん人が来られるので、中には……ね? 気の荒いおっさんもいるので、きつい口調で怒ってる人もいてストレスがすごかった……。

周りは集団行動してる人たちばかりで頼る相手もおらず、一人行動って大変なんだなと身に染みました。孤独。気にかけてくれる人もいないし。なんやかや話しかけられたけど、用が済んだらもう壁ができてるのね。お身内との間との壁。みたいな。タクシー捕まったら同じ方面だから乗り合いに誘おうかと思ったけど、そういうことができる相手とはまた違うらしい。(そもそもタクシーなんて夢のまた夢なんですが)。この時のことを思うとなかなかつらい気持ちになる。「あっ、助け合いとか、ないんだ!」って感じで。結構悲しかったです。

はいまたここで神頼みですよね。あのー、神様って休む暇あるんですかね?? 出雲に来ても休むどころか、オリーブが悲鳴を上げるみたいに「キャー助けてー」と呼び出されて、なんかほんと申し訳ないやら……。いやだーホテルに行きたいー、温泉入って朝食たべたいー、一泊の値段が倍になってたのに駅で一晩明かすのはいややー、などと心の中で駄々こねながら、ただひたすらにじっと待つこと体感一時間……

の、乗れた……!!!!

コミケの始発ダッシュみたいな人がいたりするし、駅員さん怒ってたし、入場指示前から電車の入り口で待機列らしきもの作ってて「????(いつ入った?)」だったりして(しかも割り込みしないで!とかおばちゃん怒ってくるし言い方よ。)(謝罪したけど今思い出しても不愉快すぎた。ホームにうじゃうじゃ人がいるのにどうやって待機列を見分けろと……)、それぐらいぐっちゃぐちゃだったんですけど、とりあえず乗れました……涙涙 乗れるだけでもありがたいです。これで帰って温泉入ってベッドで寝られる……涙

一畑電車にキレてるおっさんもいたけど、駅員さんも、神社で働かれてる方もそうなんですけど、コミケの歴戦スタッフみたいな猛者がそうそういるわけでもないし、電車だって地元の人が利用する路線ですし、そりゃ無理ですよ……って思いました……。まあでももう少し人手はいるといいかなと思いますが

(駅舎の外に警備員さん的な人がいてくれると嬉しいかな? 後から後から人が前に詰めてきて駅舎の中にいるとちょっと苦しかったです。あとアナウンスも多くしてくれると不安にならなくてすむし助かります。どうなってるの?どうなってるの??乗れるの??と客がそわそわしてさらに気が荒くなっていました……)、

来てる人も混雑慣れしててどう動いたらいいか予想できる人たちばかりじゃないですしね……全員素人なんや……。

臨時の電車の本数が増えただけでもありがたかったです。(本当にお疲れさまでした……)

なんでこんなに人が多いのかな?と思ったんですが、ばけばけ効果+スピ(オカルト)ブーム+情勢不安と生活苦重なりかも?

帰りの電車では内心人間不信になっていたのですが、感じの良い人が話し相手になってくれたり、これまた感じの良い人が話しかけてくれたりと、心救われました。「大変でしたね」と人間らしい会話ができてほっとした。まだもう少しだけ人を信じてみようかな……という気になりました。

ホテルにチェックインできたのは23時過ぎでした。「松江しんじ湖温泉駅」近くのホテルを選んでいたのが幸いでした。

大急ぎで部屋に行き、温泉に入って、すぐに就寝です。

二日目の朝も早いのですが、起きられるかな……

(中編に続く)

Back to Top